遠回りにも、意味はあるのかもしれない。失敗や気づきを、物語・歌・動画にしています。
生きている意味について考えていたら、いつの間にか「出会ってくれて、ありがとう」という感覚にたどり着いていました。
理屈ではなく、最後に残るもの。
その感覚を、今の自分なりに言葉にしてみました。
その問いを、しばらく手放せずにいた。
人は、何かに意味をつけながら生きている。
誰かのため。何かのため。自分がここにいる理由を、どこかに置こうとする。
けれど、考えれば考えるほど、意味付けというものが、少し怖くも思えてくる。人は、自分に都合のいい意味をつけることもできるからだ。
誰かを傷つけることにも「正義」という名前をつけられる。奪うことさえ、「成長のため」や「必要な痛み」だと言えてしまうことがある。
だから私は、ただ「意味がある」と言えばそれでいいとは思えなかった。意味付けを疑い、間違う可能性を抱えたまま、それでも丁寧に選んでいく。その繰り返しの中でしか、自分の生き方は少しずつ形にならないのだと思う。
ただ、そこまで深く考えていくうちに、少し違う感覚も浮かんできた。
もしかすると、私が本当に求めているものは、正しい意味付けではないのかもしれない。
善悪。理屈。道理。正しさ。
人が人として暮らしていく以上、それらを考えずにはいられない。
けれど、最後の最後に残るものは、そこではない気がする。
私が死の場面を思い浮かべると、いつも出てくる言葉がある。
「ありがとう」
それは、立派な人間としてそう言いたいという目標でも、道徳でもない。ただ、最後にはそれしか残らないように感じるのだ。
生きているあいだは、守りたいものがあるからこそ葛藤も生まれる。けれど、すべてが終わる直前には、その執着さえもほどけていく。
そのときに残るのは、人生全体に対する、感動の残響。
そんなものなのかもしれない。
この死生観は、決して自分一人でたどり着いたものではない。
かつて、私を「生きている側」につなぎ止めてくれた出会いがあった。今も隣にいる人との出会いがなければ、私はもっと早く、心だけ先に死んでいたと思う。
だから、私にとって「ありがとう」はきれいごとではない。生きてこられたことそのものへの、どうしようもない感動に近い。
出会えたから、今ここにいる。
三年前、腎臓の病気で猫を見送った。
最後は苦しそうだった。それでも、こちらに「抱っこして」と伝わってきた気がした。抱っこすると、そのあと息を引き取った。
そのとき、私の中から出てきた言葉も、やはり「ありがとう」だった。
出会ってくれて、ありがとう。
うちに来てくれて、ありがとう。
最後に抱っこさせてくれて、ありがとう。
それ以外の言葉は、出てこなかった。
命が閉じていく瞬間に残るものは、説明ではなかった。意味でもなかった。ただ、その存在と出会えたことへの感動だった。
自分がいつか、この世界を離れる側になったときも、きっと似た感覚なのだと思う。
「いろいろあったけれど、ありがとう」
そんなふうに、人生全体が一つの景色のように遠のいていくのかもしれない。
そう気づいてから、幸せについても少し見え方が変わってきた。
幸せは、どこか遠くにある大きな出来事ではなく、すでに目の前にあるものを「ある」と感じられる瞬間に、静かに立ち上がるのかもしれない。
家の壁に触れたとき。
今の環境が、かつて玄関もない狭い部屋で暮らしていた頃よりも、はるかに恵まれていると感じたとき。
無理に感謝しようとしているわけではなく、ただ本当にそう感じるから、「ありがとう」という言葉が自然とこぼれる。
結局、私が考えていた「生きる意味」とは、何だったのだろう。
たぶん、ひとつの正解を見つけることではなかった。
意味付けを疑いながら、それでも丁寧に生きること。
目の前の一人を役割にしないこと。
今あるものを、ちゃんと「ある」と感じること。
そして、最後に意味さえほどけたとき、そこに残る感動に、少しでも近づいていくこと。
出会ってくれて、ありがとう。
ここまで来られて、ありがとう。
最後に残るものがもしそれだけなら、今日という何気ない一日も、少しだけ違って見えてくる。
※左上 → 右上 → 左下 → 右下 の順にお読みください。
生きる意味を探すうちに、最後に残ったのは「ありがとう」という感覚でした。
出会い、笑い、別れの予感、そして静かな感謝の余韻を、歌と映像に重ねました。
タイトル:出会ってくれて、ありがとう
駅までの道を 急ぎ足で歩く
影を踏みながら 何かを探していた
「正しいこと」ばかり 数えていた日々
心の中は 空っぽの部屋のよう
冷たい風が吹く 午後の交差点
君が呼ぶ声で 世界が色づいた
理屈じゃないものが 胸を叩く
出会ってくれて ありがとう
ただそれだけで 強くなれる気がした
意味ならきっと 後から見えてくる
君がそこにいる その奇跡を 抱きしめたい
特別じゃない いつもの帰り道
目が合うだけで ふっと笑ってくれる
喧嘩した日さえ その日にほどけて
苦しい日でも 笑わない日はなかった
深く愛するほど さよならは悲しくなる
終わりの日なんて 想像したくないけれど
それでも君を愛せるのは
それ以上の喜びを 君がくれたから
出会ってくれて ありがとう
理由や意味は もう探さなくていい
ただここにある 確かな温もりを
「ありがとう」という 言葉に変えて
いろいろあったけれど
ここまで来られて よかった
出会ってくれて
ありがとう